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言葉と文化
by radiodays_coma13
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街を読む
 とにかく本が好きです。引越し先は近くに大型の図書館があるかで決めます。しかし、現在住んでいる池袋には大きな図書館はありません。が、超大型の書店が2店舗も存在します。しかも、日本最大の詩の専門書店「ぽえむ・ぱろーる」があるのも池袋です。(残念ならが、近々、閉店するそうです)だから、池袋に引越しを決めた時、小躍りしました。

 で、今日は本の話題。サイクリングがね、好きなんです。池袋に引っ越してから、都内のどこかにいくには自転車を使うことが多いです。もちろん、通勤も自転車です。本の話題と関係ないと思うでしょ?でもサイクリングはね、読書なんです。街は本。電車で移動するとほぼ目的地直行ということになる場合が多い。しかも、それがデパートの中にあったりすると、どの街に行こうが、そこにあるのは同じようなものばかり。新しい発見もなければ、どこかに出かけたという喜びを味わう事もない。しかし、自転車に乗って移動すると、まさに、我々は地名をなぞりながら、その街を、ページを読み進むように旅ができる。

 最近、仕事やらなにやら自分の時間がなく、ちゃんとした休みをとれなかったので、久しぶりに一日、休日らしい休日を過ごすことにした。目的設定は東京大丸で行われている「絵本作家ワンダーランド」幸い天気もよく、雑司が谷のなだらかな長い坂を下る頃には、大声をだしたいくらいに上気分。坂をおりて護国寺。そのすぐ前にある、甲月堂にて、桜餅と草餅を購入。ここのお菓子ははずれがない。とても丁寧な仕事をしていて、季節ごとに変わる品ぞろえはどれも繊細。その季節をまるごと味わうような喜びがある。

 江戸川公園の桜を横目に飯田橋へ。わき道に八重桜が咲いており、友人の詩「八重桜で革命を!」を彼の口調そのままに叫んでみる。江戸川橋と飯田橋の間には「TOPPAN」という有名な印刷の会社があり、そこでは、いつも本にまつわる展示をしている。ちょっと寄り道。今回は「世界で最も美しい本」というのをしていました。僕自身も装丁の仕事をしているので、とても勉強になります。無料です。ここには他に「印刷ミュージアム」というのもあり、これは有料ですが、グーテンベルグからの印刷の歴史を閲覧することができます。あと、活版印刷体験コーナーもあり、ゆっくりできれば、一日いても飽きません。

 飯田橋から水道橋、御茶ノ水から秋葉原に向かおうとしたが、神保町にある「上島珈琲」の黒糖カフェオレが飲みたくなって、神保町下る。とにかくこの界隈には印刷関係の会社や出版社が多い。連れとそんな話を談義しながら、しばし、珈琲タイム。そこから皇居に向かうと、今日は歩行者天国。ホコテンと言っても、秋葉原のように人に埋め尽くされるのではなくて、道も広く、近くに掘もあり、緑も多いので、とてもゆったりしている。(毎週末には自転車の無料貸し出しもしています)芝生には人が寝転んでいて、春風心地よく、とにかく気持ちよい。目的も忘れて、しばし、皇居周辺をサイクリング。

 おっと、もう3時過ぎ、いそがねば。と、丸の内前でどこだかの物産店に迷い込む。とにかく試食試食。中に、パソナという会社が出展していたサラダコーナーがあった。パソナって人材派遣の会社なんだけど、なんでも、東京のど真ん中にあるビルディングの中で野菜やお米を育てる実験をしているらしい。そういえばビルの中でお米の収穫ってニュースでやってた。今日はそのサラダ菜を食べさせてくれた。なんだか、ビルの中で育った野菜と思うと不思議なお味。今度は連れと今後の農業のあり方、パソナの戦略について、なんだかんだ語り合う。

 やっと、大丸に到着。とにかく素晴らしい絵本展でした。はじめっから興奮しっぱなし。僕はこれでも一時期、絵本作家を目指したりもしてみたりしたことがあったりなんかして、絵本に関してはうるさい(いつでもうるさいのですが…)(画:里宗作「動物の謝肉祭」から抜粋)。有名な作品のたくさんの原画がきていて、もう絵本好きならクラクラです。見渡すとみんなクラクラしてました。出口にさっきみた原画の絵本が置いていて、「これは陰謀か!?」と内心、憤慨したものの。連れに「子供が生まれたらどうせ必要なんだし」という理屈をつけ、たくさん絵本を買ってもらった。でも本当は子供には触らせてあげない。だって僕んだもん。
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 帰りはもう6時前、できるだけ寄り道しないように、まっすぐ前を向いて自転車こぎこぎ。とかいいながら、おいしそうなたい焼き屋を発見。一匹づつ焼く天然たい焼き。これはたい焼き屋が悪い。店の前でお茶を買って、たい焼き二匹。いつになったら家に帰れるのだろう…。とにかく自転車は楽しい。街と言う本をゆっくり味わいながら読んでゆくようです。
by radiodays_coma13 | 2006-04-12 08:33
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