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桜の心意気
 ささ、さささ、さくらが咲いちょるよ。ぷぷぷって。ああ、また、今年もうるさくなるよ。なにって、人じゃなく桜。もう、待ちに待って、やっとこさ暖っかくなって、半年も口を塞がれてやっと息ができる!みたいに、ぷぷぷって、ぶはぁって。ひとつ口火を切ったら、もう、我も我もってんで、そこらじゅうで、ぶはぁぶはぁ。よく我慢したね。中には、先走ってまだ、寒いときからちょっぴり漏らしちゃうみたいにひとつだけ咲いてるのもある。あれもかわいいね。僕は、桜は一分咲きが好きです。一番勢いがあるところ。息を止めるのを我慢して真っ赤になった人みたいに色づいている蕾がかわゆらしい。

 何がこんなに日本人をして桜を愛させるのだろう。そして、人それぞれに自分なりの愛で方がある。日本人なら桜に対して好きでも、嫌いでも、一過言持っているんじゃないかしら。桜を見るたびにいついつの桜を思い出すことができる。そして、あと何回、どんな桜を見ることができるだろうか思いにふける。桜、コノヤロー。見るたびに嫌顔にも一年のカウンターがでかい音をたてて回る。ああ、また一年経っちゃった。そして、無常にもさっさと散ってしまう。「ハイ、次々!」って、せっかちだねぇ。でも、一年中咲き続けても迷惑だけどね。桜を愛でるということは、花そのものではなくて、桜を愛でることのできる自分を愛でる事でもあるんじゃないかしら。ああ、風流な俺っていいよなぁ、って。そんなことない?間違ってる?

 でも、それが日本人って思う。風、流れ移ろう季節を味わうことのできる感性。これってとても重要なことだと思う。日本以外ではこんなふうに感じることはできないもの。沖縄にね、7年間住んでいました。で、悪いけど、沖縄の桜は美しくない。いや、彩りとしてはアリかナシではアリですよ。しかし、なんかこう、風情がない。本州の奥ゆかしい色彩に儚い生命力をいっぱいに込めたという感じじゃなく。べろべろべろ~ってなんかこう締りがない。色もね、「さくらいろ」じゃなく「どピンク」ね。「ど」がつくの。どっば~って垂れ流し的に咲いちゃいけないの、桜は。もう、うれしくってたまらない子供があげる雄たけびみたいに、ぴゃあ!ってね、咲いてなきゃいけない。

 ロシアの冬は長い。なんせシベリアの大地だ。食堂には半年前の春に採れた野菜の強烈酢漬けとプラスチックみたいにカピカピになった薄っぺらなチーズと、石みたいなパン。そして塩味だけのスープ、それを皆でありがたそうに食べる。石みたいなパンを、かろうじて人が食べれるくらいの柔らかさになるまでスープにつけて、美味しそうに食べる。「旬」なんて考え方はロシアには存在しない。しょぼくれた荒野にスミレの花が「ぴょ」って咲いていて、あ、ちいちゃい春めっけたって感じ。花もそれぞれの文化によって感じられ方が違うものです。

 とにかく日本はすごい。春夏秋冬、それぞれに異なる風景、異なる花々や実りがあり、様々な匂いで満ち溢れ、テーブルには旬の食材が並ぶ。日本に生まれたからには季節を味わい尽くすのは使命です。もう、無理してでも1年365日違うものを食べ続ける。これが、ロシアに生まれなかったことへのせめてもの償いです。そういう考え方は間違いです。でも、あえて間違います。初物には飛びつきます。一番風呂を愛します。とにかく「旬」のものをバトンタッチして一年をリレーしてゆくんです。

c0045997_36224.jpg 子供の頃、「酒がのめる酒がのめる酒が飲めるよ~♪」って能天気な歌が流行った。1月正月、二月節分、三月ひな祭り、4月花見…それを聴いて、一年中酒を飲んでるやん!って思った。今日、仕事の帰り道にちょっと遠回りして桜の具合を観に行った。そしたら、先走った桜を囲んでさっそくおっさんたちが御座を敷いて花見をしていた。きっと、あれは、やせ我慢の世界。寒いのにご苦労さんです。命がけで季節を愛でるさすらいの風流人と言ったところでしょうか。みんな震えてました。そして、寒さを吹き飛ばすかのように大声で「酒が飲めるよ~♪」歌ってました。必死で季節を感じようとする日本人の心意気しかと受け止めました!

皆さん、花見で無理して風邪ひかないようにね~。
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by radiodays_coma13 | 2005-04-02 03:09 | 食べる事と飲む事
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