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言葉と文化
by radiodays_coma13
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なくて七癖
 なくて七癖と言われているが、自分ではその癖になかなか気がつかないものだ。人から指摘されて「ふーん、そうなんだ」というものや、「ふーんそうなんだ」では済まされない嫌な癖もある。ざっと、友人に僕の癖を挙げてもらった。

①緊張すると、首が鶏のようにかきゅかきゅ痙攣する。
②考え事をすると眉間に皺を寄せる。
③美味しいものを食べると舌鼓をうつ。(ほんとにポンポンいう)
④イライラすると独り言を言いながら頭を掻き毟る
⑤ひらめくと指パッチンをならす(下手くそだけれど)
⑥いつも手遊びしている
⑦皮を食べる(爪を噛む、指の甘皮を食べる、唇の皮を剥く)

 なんなく七癖がでてきた。自分で気がついているものから気がつかなかったものまで。実際にはもっとたくさん出てきたけれど僕が耳をふさいだ。「ほら、また!都合が悪くなると人の話をきかない!」みんなが指をさす。これで一癖増えた。

 これらの癖のほとんどは僕が考え事をしている時に出現するようだ。考え事をしている時の僕は手遊びをしながら、爪を噛み首をかきゅかきゅ動かし、眉間に皺を寄せ、独り言を言いながら頭を掻き毟り、時々、鳴らない指パッチンをする。なにかと騒々しい。

 だから、根をつめて複雑な仕事に取り掛かると、僕の唇は皮の剥きすぎで流血し、頭はボサボサで、爪はボロボロになり、そのささくれた爪でいろんなところを掻き毟るので、顔中傷だらけになる。これはなかなか哀れだ。そんな姿で家に帰ると、どこに行ってきたのか?と妻に問われることがある。でもね、SMクラブでは唇の皮をめくるプレイなんてないのだ、妻よ。そんなことを疑わないでほしい。「またー!でもでも言って、話をはぐらかす!」妻が怒る。また一癖増えた。

 でもね、癖の中には近くでいるととても不快な癖もある。人の癖をみて、ああっ!どうにも辛抱ならないこともある。しかし、自分だってロクな癖がない。仕事中にことあるごとに指パッチン、しかも下手くそなのをされたら気になって気になって、僕でもイライラする。でもロクでもある癖なんてあるのかしら?ほっておくと隣の人の肩を揉みだすとか、独り言がすごくありがたい話とか、鼻歌がすごい上手とか?これは言葉の問題だ。不快じゃなかったら、それは癖ですらないはずなのだ。癖は限度を越すと非常に周りの人を不愉快にさせてしまうのは確かなの。

 先日、僕の職場に新しい人が入った。ちょっと気難しい人で、無口なのだけど、僕はちゃんと下準備して、彼の好きな映画をリサーチして、気さくに喋りかけた。しかし彼との楽しいはずの会話は「いいえ、もう最近は観ていません」ときっぱり否定形からスタートした。でも、いくら彼が気難しくたって、いつも同じビタミンジュースを飲んでいたってそんなことは全然、構わないのです。ただ、僕は彼の貧乏ゆすりだけはガマンならなかった。

 彼ときたら、人の話を聞いている時も、仕事をしている時も、昼食後、眠そうにゆらゆらしている時も、休憩中にリラックスしている時も地響きするほどの貧乏ゆすり。そして、足の前にスチールのボックスがある時もガガガガガと足をボックスに打ちつけながら貧乏ゆするのです。これはたまらない。僕はこれほどしっかりとした貧乏ゆすりをみたことがなかった。でも、癖ばっかりはなかなか治らないのでなんとか良い方に解釈しようともした。もしかしたら彼の趣味はドラムなのかもしれない。彼は天性のドラマーに違いない。それとも、これはなんらかの明確な意思表示なのかもしれない。「うおっー!俺はここにいるぞっー!!」。

 あんまり激しいので彼に二~三、簡単な質問をしてみた。「あなたは急いでますか?」「あなたはトイレに行きたいですか?」「それはあなたの性分ですか?」彼にはどうやら質問の趣旨自体が伝わらなかった。彼は自分のそれほど明らかな貧乏ゆすりに気がついてはいないようだった。彼にとって貧乏ゆすりとは心臓のビートみたいなものなのだ、きっと。言っても無駄なのだ。「あなたの心臓は鳴り止みますか?」と言う質問に僕たちはどう答えられるというのだ…。

 その日、アプリケーションの操作方法について僕が彼に説明している時、運悪く大事なデータ処理途中でPCがフリーズしてしまった。本当に運が悪かった。彼の両足は震度7の揺れに見舞われた生まれたての子ヤギのような二重苦に震え続け、PCデスクを打ち鳴らした。それは、どこか精神の深いところで起こっている混乱を予感させた。僕は思わず、彼の両膝をハッシと押さえつけてしまった。…次の日、彼は会社に来なくなった。「なんだか冷たい会社です」と言い残し…。

 これは事故なのだ。きっと防ぐことのできない、悲しい事故。広い草原の真ん中で子羊が飢えた狼に出くわして食べられちゃうくらいに仕方のない事故。僕のせいじゃないの。しかし、人は自分のどうしようもない癖を指摘されてしまうと時にパニックになってしまうことだってある。でも、それを人はとても不快に感じている。ジレンマ。その癖にその人自身が気付いてなければ、尚更、それを指摘されればショックは大きい。

c0045997_23481910.jpg もしかしたら僕だって気付かずに人をとても嫌な気分にさせているかもしれない。ある日「サトムネさん、その癖なんとかなりません?」なんて言われたら、僕はショックで唇がなくなるまで、皮を剥いてしまうに違いない。そんなことがないように僕は自分の癖を軽減させるアイデアを思いついた。手遊びだ。僕はいつも眠る前に玉遊びをして眠る。そうしないと落ち着いて眠れない。「健身球」というんだそうです。手のひらで玉をまわすとケロンケロンと鳴ります。会社でそれを鳴らすととても迷惑なので、今日、東急ハンズでガラスの玉を買ってきました。これで、僕の唇もつやつやの艶っぽい唇になること必至でしょう。メデタシメデタシ。
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by radiodays_coma13 | 2005-11-23 23:49 | 考える
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